カービューティープロ115 航海日誌 ブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
今回は画像が多いので前置きは少しだけにいたします。
今回のご依頼に至る背景ですが、YAMAHA XSR900のラッピングを投稿しましてラッピング、プロテクションをその時に推奨いたしました。
すると数日後、1本のお電話がありラッピングについてのご相談でした。
車体はBMW K1600B。 心の中で「マジか。。。」とつぶやいたのは言うまでもありません。
フルカウルツアラー、そのままの作業は正直無理もあるため一度ご来店いただきまして、
素材選定とイメージを高めていただくため施工デモまで行い検討していただくことにしました。
結果、作業確定。(心の中で「本気か。。。」とつぶやく)
作業するカウル点数は合計20点近く。条件は全てのカウルをばらしてお持ち込み頂く。
ディーラーさんご協力のもとカウルをバラしてお持ち込みいただきました。
ならばやらいでか!
作業は2回に分けて行いました。
まず1回目はフロントスクリーンとライトのプロテクションフィルム施工。
そしてパニアケースのラッピング。
特にパニアケースへの施工はフィルムの追従性を検証するためテスト施工を踏まえて行いました。
スクリーンはアクリル、ヘッドライトはポリカーボネート。
両方とも拭き上げ繰り返すと傷が入っていきます。アクリルは特に硬質なので傷は入りやすく光の角度でそれが目立つようになる。
プロテクションフィルムの役割、まずは傷防止です。
そして虫や飛び石を受けても破損しない状態にすること。
これをやるだけで悩ましい傷から解放されます。
料金に至りましては、現車拝見してからその場でのお見積もりとしております。
お問い合わせ頂きましても電話口での即答は致しかねますのでご了承ください。
次にパニアケースへのラッピング。
素材については相当悩みました。
当初はマットブラック統一で行こうと話をしていましたが、それもまた面白くないし、なんかパッとしない。
バイクへのカラー選定は非常に難しいと思います。
そもそもオリジナルであるからーの印象が強いのでそこから逸脱して別の色を入れる。
選定の段階から最終形態まで全く想像できないのです。
そのためオーナーさまご希望のマットブラックはその場で取り外せる小さなパーツに貼り、
パニアケースはバラせるだけバラし塗装部分に貼ってみました。
結果、印象的にブラッシュドブラックメタリックで統一させる事で決定。
この時はそれで良かったと思いましたが、それがまさかこの後後悔につながるとは。。。
およそ20点近いパーツをお持ち込みいただき、よし!作業開始するぞと意気込んでもバラバラのパーツの流れを見なくてはならない。そもそもブラッシュドブラックのヘアーラインは方向性があるのでパーツの向き次第でトンチンカンな仕上がりになってしまいます。
全ての流れ、カウルの角度、フィルムの動かし方を想定しながら左右1組づつ仕上げていきました。
そして完成で〜す
外側のカウルに至っては、あれがこうやってこんな感じで合体するのがイメージできたので難なく仕上がりました。
一番難しかったのはタンク部分。
フロントからの流れをどうシートまで向かわせるか。
フロントかしたからやや上に向かう方向性に対し、タンクは上から下に。
センター付近を主軸にして下に伸ばし広げシュリンクする。
ここを分割にしたら全てがパーになりますので工夫しました。
タンク部分の方向性がシート下のパーツの流れ、そして後ろのパニアケースにまでつながります。
今回の施工に至っては、車と異なり全て細かな作業、フィルムの限界をうまく利用しつつ馴染ませる。
普段は簡単な作業のみを行っていましたので、今回のパーツ群は良い経験になりました。
センターパーツはカーボンブラックに。
これもリアにまでつながります。
そして一番困難だったのはスピーカー周りの処理です。
全てにおいて向きが変わる。。。それを想定して工夫すればどうにかなっただろうけど、ここは今後のテーマですね。
メーター周りは施工検証。
そもそも樹脂素地のマット。おそらくつかないがカラーを変えてみたいというご希望を叶えましょう。
チャコールマットメタリックで貼ってみましたが、やはり経時で浮きが発生。無理でした。。。これも今後のテーマ。
最近YAMAHAではマット塗装が流行っています。FJRもTMAX/XMAX/NMAXも全てマット系が標準カラー
なんであえてこんな面倒なマットカラーをメーカーが押し出す?
車でマットカラーもごく一部の高級車に採用されるだけで、あれも正直面倒な塗装。
マットは既にメーカーが標準化し始めているので、やはりハードル上げてでもチャンネルは変えなければ目立たない。
このK1600Bならば間違いなく目立つでしょう。
何より昨年行ったモーターサイクルショーで、カスタムはZ900RSが旬と言わんばかりにどこのブースもZ900RSでした。
展示車両の中でタンクラッピングを施す1台があり、それをじっくり研究したのですが、正直ナンセンスだな~と感じたのです。重ね貼り浮き彫り文字、まぁインパクトありますけどそれをチタン風ヘアーラインで貼ってあり、それが印象を悪くしていたのかなと今になると思います。
それを見て、私ならばどうする!それが今回の施工へ挑む意気込みでしたので
結果装着した状態はまさにビューティフル。オーナー様も大満足していただきました。
経過観察は必要なので、秋のバイクシーズンになりましたら再びチェックを入れたいと思います。
さて今回の施工が縁を結び、モトラッドセントラル飛鳥山さんとお仕事をさせて頂くことになりました。
第一印象、え!ここBMWだよね?輸入車ディーラーだよね?なぜここまで業者との距離感近くフランクに話をしてくれるの?
自動車業界とバイク業界、分断してはいけないと思いますが、絶対的に温度差は違う。
自動車ディーラーはどうも店自体がシーンとしている。表現としては元気がない。
ところがバイクディーラーは活気がある!何よりも店のスタッフが元気!
それじゃなきゃ売れませんよねー。納得です。
今後ラッピング、プロテクションを提案するにあたりお店側が積極的に考えてくださるのもディーラーらしくないところなのですが、その自由感がお客様への幅広い選択をご提供できるのかなと。
そんな積極的な姿勢に驚き、私一個人事業主程度で非力ではありますけど全力で協力したいと思いました。
焦らず欲張らずこのお取引を育てたいと思います。
来週はS1000RRレースカウルのフルラッピング、集中するために篭ります。