カービューティープロ115 航海日誌 ブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
トヨタクラウンフィルム施工。
最近のご相談では機能よりも先に価格から聞かれます。
フィルム施工がなぜ数万もかかるのか? そう思うでしょうね。
大したことのない技術のように思えるでしょうけど、綺麗に貼るという手法には
貼るまでに至る事前の準備からクリーニングまで目立たぬ作業が入っているんです。
今回張ったフィルムはシルフィード SC7015
シルフィードに至っては、他2社が出している光学チャートはありません。
文言のみ。
IKCのシルフィードシリーズ、赤外線カット率92%と称する測定レンジ。
↓ 分光曲線がメーカーサイトで公表していない為文面を引用しました。
※赤外線カット率は波長1500nm~2100nmでのカット率の平均値です。※日射率は350nm~2100nmでの実測値です。
今回波長等についても触れます。内容は長いです。くどいです。申し訳ありません。
貼る技術、それは車内の適度な分解なども関わってきます。
ハイマウントストップランプ、トヨタ社などはガラスギリギリにまで設置している車もあり、
このクラウンも例外ではありません。
外れてくれるといいなぁ~と思いつつ、本体をしたから持ち上げると ゴソッ! 見事に外れましたw
こうなったら作業は早い。
そんな苦労もあったり、または結構分解して綺麗に張り込んだりと
施工者は工夫と努力をしているのです。
それがプライスにも含まれている。
決して素人の方が綺麗に貼ろうと思っても、自分の車でさえ綺麗には貼れないでしょう。
プロだからこそ、どんな車であっても綺麗に貼ることができるのです。
そしてフィルムの濃度。
私の考え方として、プライバシーガラスなのに中丸見え!それはプライバシーとは言えないでしょう。
車内がわずかに見えるかな?近寄ってみないとわからない!それがプライバシーというものではないでしょうか?
そこで、私が推奨するのは透過率10%!
原着フィルムならではの均一なる透過性は昼夜問わず車内からの目視もよく見えます。
この10%を切ると途端に見えにくくなり車内も真っ暗になります。
そして現在一般化してしまった機能フィルム、紫外線と赤外線をカットしていないフィルムなどご相談いただく方は求めてはおりません。
車内の熱中症対策、もはや避けては通れぬ問題です。
ここから熱さや機能について書いていきます。
当店の理論です。
フィルムを扱い出した当初、数値が理論的にも高いものが体感でも優れていると信じていました。
それが3Mのクリスタリン。
施工金額も高い材料でした。
クリスタリンの特徴は赤外線を反射と吸収と2つの機能でカットしていたため完全にカットしている感じは受けて取れました。
でもこれは日本の製品ではなくアメリカで製造しているもの。
そもそもこれは建材用のナノと言う銘柄を車両用にカラー変更させて展開した商材。
層厚で50μ強の積層フィルム、車に使用すると傷の入りやすく、糊厚も薄いため糊ズレやゴミの混入もよく目立つ材料。ロス率も高く決してハンドリングの良い材料ではありませんでした。
ただ、光学チャートを見る限りで赤外線の波長帯750nm以降エネルギー量の高い900nmから一気にカットしている。今から9年ほど前はこのスペックは画期的な値だったんです。
日本のメーカーはこれを作ることすらできなし、これに対抗する材料もない。
まさに3Mの一人勝ち状態でした。
ただ、機能が素晴らしくても車のガラスは真っ平らではない。
またパワーウィンドウの収納されるクリアランスは極めて狭い。
普通のフィルムでも傷が入るのに、クリスタリンはちょっとした異物でフィルムが切れるほど厚い。
自動車用途としてはスペックオーバーだと感じました。
次に使用したのはリンテック ウィンコスプレミアムシリーズ
光学チャートを見る限りリンテックプレミアムシリーズが優れていると思うでしょう。
そこに惑わされてはいけない。
確かに機能的には優れているが、測定方法は各メーカーによって異なります。
実際に熱吸収によりカットを実現している段階で全波長帯で95%をカットする事は難しいと考えます。
光学チャートはあくまで測定におけるカット率であり、実際の太陽光による暑さの影響はそれを超える部分です。
人が感じる暑さの部類は、数値で表せない感覚的なものが存在し、そこには個人差があるという事。
熱量をカットしていると言う表やスペックに捕らわれて、実は貼ってみると然程変わらないのが感覚というものです。
濃い色ならばカットしている だろう! という先入観。
薄い色ならば暑いかも しれない! という先入観。
透明でも貼った後の実車は 暑くない! と言う実体験における感想。
全てが感覚からなるものであり、これらは人それぞれ。数値で何がずば抜けているから凄いんだと言う理論が
実は貼った後で 「なんか暑いよなぁ~。カットしていないんじゃないか?」という事もあります。(体験談)
日焼けとか、熱量とか、まずは貼っていないよりも緩和されているところから始まり、
あとは車のエアコンの持つ能力でどこまで冷やせるか。
フィルムを貼っても空間が広ければ暑さはなかなか軽減できない。
フィルムを貼っても空間が広く、フロントしかエアコンが無ければ後ろまで回らない。
全て車の能力に関わってくる話です。
もしも、高機能フィルムを装備していて、貼った後に「暑いよね?」と言われたら?
もしも、高機能フィルムを装備しても然程変わらなかったら?
フィルム施工店が選び提供するフィルムには、ちゃんと意味がある事を知って頂きたいと思っています。
当店も開業以来3Mの全製品を触り貼り体感し、リンテック製品のプレミアムシリーズを揃えて貼り体感し、
そして現在IKCに至る理由。
数値が述べるものではなく、体感から然程変わらないならば貼った後の仕上がりに至る部分で選んでいる。
それが現在IKCと取り扱っている理由です。
それぞれ一長一短があります。
でも完璧ではないのが人の作るもの。3社の良い所が一つにまとまれば最強のフィルムが出来るでしょうけど
そりゃ無理な話です。
それでもリンテックのプレミアムシリーズが良い!と思われるならば扱っている店舗に行ってください。
又、確実95%をカットしているフィルムが欲しいんだ!と思われる方はクリスタリン取扱店に行ってください。
扱っていない店舗へ、扱わない製品の要求をしないでください。要求されても扱うつもりはありません。
在庫という問題、そんな簡単に考えられては困ります。
商材がダブれば、何か一つは不動在庫になる。売れなければ何年でも眠るんです。(かつてクリスタリンがそうでした)
価格、高い設定をしているから良い商品?そう思うのは勝手です。
むしろ価格崩壊と言うどんな業界にでも存在するフレーズを気にされない方なのでしょうね?
新しい商品、これは高いものです。
それが一般的になって来ると、これまで高い設定が一般化し安くなる → それじゃなきゃ売れなくなるんです。
同じ商品とっても、東京都内でA店が安ければそこへ行くんですよ。
するとB店の商品は同じなのに不動在庫となる。なぜ? 高いから。 だから安くしないとならないんです。
それが価格崩壊。
現在当店が設定しているプライスは、IKCシルフィードシリーズ、またはウィンコスプレミアムシリーズを取り扱うとしての限界プライス。ただ、今はリンテック在庫が切れましたのでIKCのみの取り扱いに至っています。
ここでわかるのが、測定方法は各メーカー違えど、およそ近いスペックを引き出してきていると言うことです。
日本のメーカーでは吸収させてカットさせることが限界。それでもエネルギー量の強い部分を9割カットしている。
あとはお車の持ち主が工夫して循環させることでしょう。
例えばエアコンの吹き出し口のルーバーを全て上に向ける!これだけで後席は冷えます。
前が熱くなるのであれば、ルーバーを下げる。これだけの事。
最後は色じゃないでしょうか?
クリスタリンシリーズ、一番濃くても透過率40%。薄いんですよ。
ウィンコスプレミアムシリーズ、青がかっていてちょと違和感あるんです。
IKC シルフィードシリーズ、青みと言うかグレー感というか、一番バランスとれた色。
実際にお選びいただく際にスペックよりも色なんですよ。
今回施工したクラウンのカラーも透過率10%にしてはとてナチュラルな色。
これ以上青みがかったらちょっと気持ち悪いと思います。
カーフィルム、今は機能フィルムが一般的であり、どのメーカーも格差はほぼありません。
それが3社のフィルムを扱い施工した当店が伝えたい事です。